奨学金の返済で残高不足により引き落としができなかった場合、すぐにブラックリストに載ってしまうのではないかと不安になる方も多いでしょう。
特に、奨学金の引き落としが1回目で残高不足になってしまった場合、どのような対応が必要なのでしょうか?
実は、奨学金の引き落としが残高不足で1回できなかったからといって、すぐにブラックリストに載ることはありません。
ただし、2回目の引き落としまでに必要な金額を入金しておかないと、延滞金が発生したり、ブラックリストに載るリスクが高まります。
また、奨学金の払い忘れがあった場合、日本学生支援機構から督促の電話がかかってくることもあります。
ゆうちょ銀行の場合、再引き落としのタイミングが1日に2回あるので、引き落とし日の21時までに入金すれば間に合う可能性もあります。
この記事では、奨学金の残高不足が1回目で連続していない場合の対処法や、ブラックリストに載る条件などを詳しく解説します。
奨学金の返済でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
- 奨学金の引き落としが1回できなかった場合、すぐにブラックリストに載ることはない
- 次の引き落とし日までに2ヶ月分の金額を入金すれば、延滞金やブラックリスト入りは避けられる
- 奨学金の滞納が3ヶ月以上続くと、個人信用情報機関に延滞情報が登録され、ブラックリストに載る
- 返還が困難な場合は、早めに日本学生支援機構に相談し、減額や猶予の制度を利用するのが賢明
奨学金の残高不足1回目でブラックリストに載ることはない
奨学金の引き落としが残高不足で1回できなかった場合、すぐにブラックリストに載ることはありません。
日本学生支援機構の規定では、奨学金の返還が3ヶ月以上連続して滞った場合に初めて個人信用情報機関に延滞情報が登録され、いわゆる「ブラックリスト」に載ることになります。
ただし、次回の引き落とし日までに2ヶ月分の返還額を入金する必要があります。
これを怠ると、延滞金が発生したり、将来的にブラックリストに載るリスクが高まります。
奨学金の引き落としが残高不足で1回できなかった場合の対処法
奨学金の引き落としが残高不足で1回できなかった場合、以下のような対処法があります。
- 次回の引き落とし日までに2ヶ月分の返還額を振替用口座(リレー口座)に入金する
- 日本学生支援機構に連絡し、残高不足の理由や今後の返還予定を説明する
- 延滞金が発生する前に、速やかに対応する
特に重要なのは、次回の引き落とし日までに2ヶ月分の返還額を入金することです。
これを怠ると、延滞金が発生し、ブラックリストに載るリスクが高まります。
次回の引き落とし日までに2ヶ月分の金額を入金する
奨学金の引き落としが残高不足で1回できなかった場合、次回の引き落とし日までに2ヶ月分の返還額を振替用口座(リレー口座)に入金する必要があります。
例えば、毎月の返還額が5万円の場合、残高不足で1回引き落としができなかったら、次回は2ヶ月分の10万円を入金しなければなりません。
入金期限は次回の引き落とし日の前営業日までです。なお、1回目の残高不足の場合、延滞金は発生しません。
ただし、2回目以降は年率3%の延滞金が上乗せされるので注意が必要です。
以前は延滞金の金利が年率10%でしたが、現在は3%に引き下げられています。
また、日本学生支援機構から「奨学金返還の振替不能通知」が送付されます。
この通知には、次回の振替日と振替金額が記載されているので、必ず確認するようにしましょう。
奨学金の引き落としは毎月27日に行われる
奨学金の引き落としは、原則として毎月27日に行われます。
ただし、27日が土日祝日の場合は、翌営業日に引き落としが行われるので注意が必要です。
日本学生支援機構(JASSO)が公開している「奨学金返還振替日カレンダー」によると、令和5年度(2023年度)の奨学金返還の口座振替日は以下の通りです。
- 4月分:4月27日(木曜日)
- 5月分:5月29日(月曜日)
- 6月分:6月27日(火曜日)
- 7月分:7月27日(木曜日)
- 8月分:8月28日(月曜日)
このように、毎月の引き落とし日を把握し、前営業日までに口座残高を確認しておくことが大切です。
ゆうちょ銀行の場合、1日2回の引き落としがある
ゆうちょ銀行を奨学金の引き落とし口座に指定している場合、1日に2回の引き落としが行われることがあります。
具体的には、1回目の引き落としは午前中、2回目の引き落としは夕方以降に行われます。
そのため、万が一1回目の引き落としで残高不足となっても、引き落とし日当日の21時までに入金すれば、2回目の引き落としで返還金が支払われる可能性があります。
引き落とし日の21時までに入金すれば間に合う可能性がある
前述の通り、ゆうちょ銀行の場合、引き落とし日の21時までに入金すれば、2回目の引き落としに間に合う可能性があります。
ただし、これはあくまでも可能性であり、確実ではありません。
引き落としに失敗すると延滞金が発生したり、ブラックリストに載るリスクが高まるため、余裕を持って前営業日までに入金することを強くおすすめします。
奨学金の引き落としができなかった場合、督促の電話がかかってくる
奨学金の引き落としができなかった場合、日本学生支援機構(JASSO)から督促の電話がかかってきます。
この電話では、引き落としができなかった理由や今後の返済予定などを詳しく説明する必要があります。
JASSОの公式ウェブサイトによると、引き落としができなかった翌月の中旬頃に、JASSОから督促の電話連絡が行われます。
電話に出られない場合は、必ず折り返しの連絡を入れるようにしましょう。
また、引き落としができなかった理由によっては、返還方法の変更や返還期限の猶予などの手続きが必要になる場合があります。
督促の電話では、これらの手続きについても丁寧に説明してもらえるので、不明な点があれば遠慮なく質問するようにしましょう。
引き落としができなかったことを伝える「振替不能通知」が届く
奨学金の引き落としができなかった場合、「振替不能通知」が郵送で届きます。
この通知には、以下のような情報が記載されています。
- 引き落としができなかった金額
- 次回の引き落とし日
- 延滞金の有無と金額
- 返還方法の変更手続きに関する案内
「振替不能通知」は、引き落としができなかった翌月の上旬に発送されます。
通知が届いたら、内容を確認し、指定された期日までに必要な手続きを行うことが大切です。
なお、「振替不能通知」は、奨学金の返還が延滞した証拠となる重要な書類です。返還が完了するまで大切に保管しておきましょう。
奨学金の引き落としが連続しない限り、延滞金は発生しない
奨学金の引き落としが1回できなかった場合でも、連続しない限り延滞金は発生しません。
ただし、次回の引き落とし日までに2ヶ月分の金額を入金する必要があります。
例えば、毎月の返還額が3万円の場合、1回目の引き落としができなかったら、次回は2ヶ月分の6万円を入金しなければなりません。
入金期限は、次回の引き落とし日の前営業日までです。
ただし、引き落としが2ヶ月連続でできなかった場合は、延滞金が発生します。
延滞金の金額は、延滞期間に応じて変わりますが、年率3%で計算されます。
以前は延滞金の金利が年率10%でしたが、現在は3%に引き下げられています。
ただし、延滞金は返還すべき元金に加算されるため、できるだけ早く延滞を解消することが大切です。
奨学金の支払いを1回遅れても、すぐにブラックリストには載らない
奨学金の支払いを1回遅れても、すぐにブラックリストに載ることはありません。
日本学生支援機構(JASSO)の規定では、奨学金の返還が3ヶ月以上連続して滞った場合に初めて個人信用情報機関に延滞情報が登録され、いわゆる「ブラックリスト」の状態になります。
ただし、連続して引き落としができなかった場合は、ブラックリストに載るリスクが高まります。
例えば、1月と2月の引き落としができなかった場合、3月の引き落としもできなければ、ブラックリストに載る可能性が高いです。
奨学金の滞納が続くとブラックリストに載るリスクがある
前述の通り、奨学金の滞納が3ヶ月以上続くと、ブラックリストに載るリスクが高まります。
ブラックリストに載ると、以下のような様々な不利益が生じます。
- クレジットカードの作成が難しくなる
- ローンの審査が通りにくくなる
- 携帯電話の契約が難しくなる
- アパートの賃貸契約が難しくなる
これらの不利益は、信用情報が回復するまで最長5年間続く可能性があります。
奨学金を3ヶ月以上滞納するとブラックリストに載る
JASSОの規定では、奨学金を3ヶ月以上滞納するとブラックリストに載ります。
具体的には、以下のような流れで個人信用情報機関に延滞情報が登録されます。
- 奨学金の返還が61日以上滞った時点で、個人信用情報機関に延滞情報が登録される
- 3ヶ月以上滞納が続くと、「ブラックリスト」の状態になる
- 延滞情報は、返還完了から5年間保存される
なお、3ヶ月以上の滞納とは、必ずしも3ヶ月連続の滞納を指すわけではありません。
例えば、1月と3月と5月の引き落としができなかった場合でも、合計3ヶ月以上の滞納となるため、ブラックリストに載ってしまいます。
奨学金の返還が難しい状況になった場合は、早めにJASSОに相談し、返還猶予や減額返還などの制度を利用することをおすすめします。
これらの制度を利用することで、ブラックリストに載るリスクを回避できる可能性があります。
奨学金の滞納でブラックリストに載ると、返還完了から5年間は記録が残る
奨学金の滞納でブラックリストに載ると、返還完了から5年間は記録が残ります。
この間は、クレジットカードの作成やローンの審査が通りにくくなります。
奨学金の滞納が続くと、個人信用情報機関に登録される
奨学金の滞納が続くと、個人信用情報機関に登録されます。具体的には、CICやJICCなどの機関に延滞情報が登録されます。
この情報は、金融機関などが審査に利用します。
例えば、クレジットカードやローンの審査では、延滞情報がある人は審査に通過しにくい可能性があります[2]。
奨学金の滞納でブラックリストに載ると、クレジットカードやローンの審査に通りにくくなる
奨学金の滞納でブラックリストに載ると、クレジットカードやローンの審査に通りにくくなります。
金融機関は、個人信用情報機関の情報を審査に利用するため、延滞情報がある人は審査に通過しにくいのです。
奨学金の返還が困難な場合は、減額や猶予の制度がある
奨学金の返還が困難な場合は、減額や猶予の制度があります。
例えば、「減額返還」は、返還額を減らす制度です。また、「返還期限猶予」は、返還期限を延長する制度です。
これらの制度を利用することで、返還の負担を軽減できます。
なお、奨学金の返還が遅れている場合には、日本学生支援機構(JASSO)に相談することが重要です。
JASSOは、返還が難しい状況に対応するための制度を提供しています。
例えば、災害、傷病、経済困難、失業などの返還困難な事情が生じた場合には、返還期限の猶予を願い出ることができます[3]。
奨学金の返還が滞った場合、本人や保証人に督促の連絡が行く
奨学金の返還が滞った場合、本人や保証人に督促の連絡が行きます。具体的には、電話や文書での連絡があります。
連絡を受けたら、速やかに日本学生支援機構に相談することが大切です。
奨学金の入金を忘れた場合、2回目はどうなる?
奨学金の入金を忘れた場合、2回目は以下のようになります。
- 2ヶ月分の金額を次回の引き落とし日までに入金する必要がある
- 延滞金が発生する可能性がある
- 連続して引き落としができなかった場合は、ブラックリストに載るリスクが高まる
奨学金の滞納でブラックリストに載る基準は?
奨学金の滞納でブラックリストに載る基準は、以下の通りです。
- 3ヶ月以上の滞納で、個人信用情報機関に延滞情報が登録される
- 延滞情報は、返還完了から5年間保存される
- ブラックリストに載ると、クレジットカードやローンの審査に通りにくくなる
奨学金の返還は、計画的に行うことが大切です。もし返還が困難な場合は、早めに日本学生支援機構に相談しましょう。
奨学金の引き落としが1回出来なくてもブラックリストには載らない
記事のまとめ
- 奨学金の引き落としが1回できなかった場合、すぐにブラックリストに載ることはない
- 次回の引き落とし日までに2ヶ月分の金額を入金する必要がある
- 奨学金の引き落としは毎月27日に行われ、ゆうちょ銀行の場合は1日2回ある
- 引き落とし日の21時までに入金すれば間に合う可能性がある
- 引き落としができなかった場合、督促の電話がかかってきたり「振替不能通知」が届く
- 奨学金の引き落としが連続しない限り、延滞金は発生しない
- 奨学金を3ヶ月以上滞納するとブラックリストに載り、返還完了から5年間記録が残る
- 奨学金の滞納が続くと、個人信用情報機関に延滞情報が登録される
- ブラックリストに載るとクレジットカードやローンの審査に通りにくくなる
- 奨学金の返還が困難な場合は、減額や猶予の制度がある
- 奨学金の返還が滞った場合、本人や保証人に督促の連絡が行く