住宅ローンは長期間にわたる大きな契約なので、途中で状況が変わって借り換えや債務者変更が必要になるケースも少なくありません。
この記事では、住宅ローンの借り換えと債務者変更について、知っておくべき基本的な知識から、手続きの方法、注意点、よくある失敗例まで、わかりやすく解説していきます。
具体的には、債務者変更とは何か、どのような場合に認められるのか、夫婦間や親子間での名義変更はできるのか、といった疑問にお答えします。さらに、住宅ローンを借り換える際に注意すべき点や、債務者変更に伴う贈与税についても詳しく解説していきます。
この記事を読み終える頃には、住宅ローンの借り換えと債務者変更に関する疑問が解消され、今後のライフプランに合わせた最適な選択ができるようになっているはずです。ぜひ最後まで読んで、住宅ローンに関する知識を深めてくださいね。
- 住宅ローンの債務者変更は原則できない。
- 債務者変更は、離婚・相続など限られたケースで可能になる場合がある。
- 借り換えで実質的に債務者を変更できる場合がある。
- 借り換えや債務者変更は金融機関の承認が必要。
住宅ローン借り換えと債務者変更を徹底解説

住宅ローンの債務者変更とは
住宅ローンを組んでいる方が、何らかの事情でローンを返済し続けるのが難しくなった時、他の人に返済義務を引き継いでもらうことを債務者変更と言います。
例えば、病気やケガで働けなくなってしまった、リストラにあって収入が減ってしまった、といったケースが考えられますね。
住宅ローンは長期間にわたって返済していくものですから、人生いろいろあります。「まさか自分が」と思うようなことでも、起こってしまう可能性はあるんです。
そんな時、債務者変更という方法を知っておくと、いざという時に慌てずに済みますよ。
債務者変更ができるケース
では、どんな時に債務者変更ができるのでしょうか?
結論から言うと、住宅ローンの債務者変更は、原則としてできません。
なぜなら、金融機関は、住宅ローンを貸す際に、借りる人の返済能力を厳しく審査しているからです。
途中で債務者を変更してしまうと、審査していない人にローンを貸すことになってしまい、金融機関にとっては大きなリスクとなるんですね。
これを避けるため、金融機関は、返済能力の低い人や信用情報に問題がある人への融資を避ける傾向があります。そのため、債務者変更を希望する場合、新しい債務者となる人が、金融機関の審査基準を満たしている必要があります。
具体的には、安定した収入、良好な信用情報、十分な返済能力などが求められます。
もし、これらの条件を満たしていない場合は、債務者変更が認められない可能性が高くなります。
ただし、例外的に債務者変更が認められるケースもあります。
例えば、離婚や相続といった、やむを得ない事情がある場合です。
離婚によって夫婦どちらか一方が住宅を引き継ぐことになった場合や、親が亡くなって子供が住宅ローンを相続する場合などは、債務者変更が認められる可能性があります。
また、債務者本人に経済的な問題が発生した場合でも、配偶者や親族に返済能力があれば、債務者変更できることがあります。
いずれにしても、債務者変更を希望する場合は、まずは金融機関に相談してみることが大切です。
金融機関によって、債務者変更の条件や手続きは異なります。
自分の状況に合わせて、適切な手続きを進めるようにしましょう。
夫婦間で名義変更はできる?
夫婦間で住宅ローンの名義変更をすることはできるのでしょうか?
結論から言うと、可能です。
ただし、名義変更には、金融機関の承認が必要となります。
金融機関は、新しい名義人が住宅ローンを返済できるだけの能力があるかどうかを審査し、承認するかどうかを判断します。
夫婦間で名義変更をするケースとしては、主に以下のようなものが挙げられます。
- 離婚
- 経済的な理由
離婚によって夫婦のどちらか一方が住宅を引き継ぐ場合、名義変更が必要になります。
また、病気やケガなどで、現在の名義人が住宅ローンを返済できなくなった場合、配偶者に名義変更することで、住宅を手放さずに済む可能性があります。
名義変更を希望する場合は、まずは金融機関に相談し、必要な手続きや書類を確認しましょう。
親子で名義変更する場合
親から子へ、あるいは子から親へ、親子間で住宅ローンの名義変更をすることはできるのでしょうか?
こちらも夫婦間の場合と同様に、可能です。
ただし、金融機関の承認が必要となる点は変わりません。
親子間で名義変更をするケースとしては、以下のようなものが考えられます。
- 相続
- 親子リレー返済
- 経済的な理由
親が亡くなって子供が住宅ローンを相続する場合や、親子リレー返済を利用する場合、名義変更が必要になります。
親子リレー返済とは、親が住宅ローンを組む際に、将来子供がそのローンを引き継ぐことを前提とした返済方法です。
これにより、親は、自分の年齢や収入を理由に住宅ローンの審査を断られるリスクを減らすことができます。
また、親または子が経済的な理由で住宅ローンを返済できなくなった場合、名義変更することで、住宅を手放さずに済む可能性があります。
名義変更を希望する場合は、金融機関に相談し、必要な手続きや書類を確認しましょう。
兄弟で名義変更する場合
兄弟間で住宅ローンの名義変更をすることは、夫婦間や親子間に比べると、ハードルが高くなります。
なぜなら、金融機関は、兄弟間で住宅ローンを名義変更することに対して、貸し倒れのリスクが高いと判断する傾向があるからです。
兄弟間で名義変更が認められるケースとしては、主に以下のようなものが挙げられます。
- 遺産分割のやり直し
- 経済的な理由
遺産分割協議をやり直すことによって、住宅ローンを相続する人が変更になる場合や、兄弟のどちらかが経済的な理由で住宅ローンを返済できなくなった場合などは、名義変更が認められる可能性があります。
名義変更を希望する場合は、金融機関に相談し、承認を得られるかどうかを確認しましょう。
他人に名義変更はできる?
住宅ローンの名義を、夫婦、親子、兄弟以外の他人にすることは、原則としてできません。
金融機関は、他人への名義変更を、貸し倒れのリスクが非常に高いと判断するためです。
他人への名義変更が認められるケースは、極めて限定的です。
例えば、養子縁組など、特別な事情がある場合に限り、名義変更が認められる可能性があります。
他人への名義変更を希望する場合は、金融機関に相談し、承認を得られるかどうかを確認しましょう。
住宅ローン借り換えで失敗しないために

よくある借り換えの失敗例
住宅ローンの借り換えは、金利を下げて毎月の返済額を減らしたり、返済期間を短縮したりすることができる有効な手段です。
しかし、借り換えには、メリットだけでなく、デメリットや注意点もあることを知っておく必要があります。
借り換えで失敗するケースとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 諸費用がかかりすぎて、思ったほど返済額が減らなかった。
- 審査に通らなかった。
- 新しい住宅ローンの条件が、以前よりも悪くなってしまった。
- 団体信用生命保険の保障内容が変わってしまい、保障が手薄になってしまった。
これらの失敗例を詳しく見ていきましょう。
1. 諸費用がかかりすぎて、思ったほど返済額が減らなかった。
住宅ローンの借り換えには、事務手数料、保証料、印紙税、抵当権設定登記費用など、様々な諸費用がかかります。
これらの諸費用は、金融機関や借入額によって異なりますが、数十万円から数百万円になることもあります。
もし、借り換えによって削減できる利息よりも、諸費用の方が高くなってしまうと、借り換え の意味がありません。
借り換えを検討する際は、複数の金融機関から見積もりを取り、諸費用も含めた総返済額を比較することが重要です。
2. 審査に通らなかった。
住宅ローンの借り換えには、新規で住宅ローンを組む場合と同様に、審査があります。
審査では、収入、 雇用状況、信用情報などがチェックされます。
もし、借り換えを検討している間に、収入が減ったり、転職したり、他のローンを組んだり していると、審査に通らない可能性があります。
また、健康状態が悪化している場合も、審査に影響する可能性があります。
借り換えを検討する際は、事前に自分の状況をよく確認し、審査に通る見込みがあるか どうかを判断することが重要です。
3. 新しい住宅ローンの条件が、以前よりも悪くなってしまった。
住宅ローンの借り換えでは、金利が下がるだけでなく、返済期間が延びたり、団体信用生命 保険の保障内容が変わったりすることがあります。
もし、返済期間が延びてしまうと、総返済額は増えてしまいます。
また、団体信用生命保険の保障内容が変更になる場合は、保障内容をよく確認し、自分に 合ったものを選ぶことが重要です。
借り換えを検討する際は、金利だけでなく、返済期間や保障内容なども含めて、総合 的に判断することが重要です。
4. 団体信用生命保険の保障内容が変わってしまい、保障が手薄になってしまった。
団体信用生命保険(団信)は、住宅ローンの借り入れと同時に加入する生命保険です。
団信に加入することで、万が一、ローン返済中に死亡したり高度障害状態になったりした 場合、残りのローンが保険金で支払われます。
住宅ローンの借り換えでは、新しいローンに合わせた団信に加入し直すことになります。
この時、以前の団信よりも保障内容が手薄になってしまうことがあります。
例えば、以前はガンや三大疾病などの保障が付いた団信に加入していたのに、借り換え によって死亡と高度障害のみを保障する団信に変更になってしまう、といったケースです。
借り換えを検討する際は、団信の保障内容をよく確認し、必要があれば、別途、 必要な保障を補う保険に加入することを検討しましょう。
なぜ借り換えをしないのか
住宅ローンの借り換えを検討しているにもかかわらず、実際には借り換えをしない理由は、主に以下のようなものが挙げられます。
- 面倒くさい
- 手続きがわからない
- 時間がない
- 今のままで満足している
- 借り換えできることを知らない
これらの理由を詳しく見ていきましょう。
1. 面倒くさい
住宅ローンの借り換えには、様々な手続きが必要です。
金融機関の窓口に行ったり、書類を集めたり、審査を受けたりと、何かと手間がかかり ます。
そのため、「面倒くさい」と感じて、借り換えを諦めてしまう人が少なくありません。
しかし、借り換えによって、毎月の返済額を大幅に減らせる可能性もあります。
「面倒くさい」からといって、安易に諦めてしまうのはもったいないことです。
2. 手続きがわからない
住宅ローンの借り換えは、初めての人にとっては、手続きが複雑でわかりにくいと感じ るかもしれません。
どの金融機関を選べば良いのか、どんな書類が必要なのか、審査はどのように行われる のかなど、わからないことがたくさんあります。
しかし、最近は、インターネットで簡単に情報収集できるようになりました。
また、金融機関の窓口やホームページでも、借り換えに関する情報を提供しています。
わからないことがあれば、積極的に質問してみましょう。
3. 時間がない
仕事や家事などで忙しい人にとって、住宅ローンの借り換えに時間を割くのは難しい かもしれません。
しかし、借り換えの手続きは、金融機関の担当者に相談しながら進めることができます。
また、最近は、インターネットで手続きできる金融機関も増えています。
時間を有効活用して、借り換えを進めていきましょう。
4. 今のままで満足している
現在の住宅ローンの金利や条件に満足している人は、借り換えの必要性を感じない かもしれません。
しかし、住宅ローンの金利は、常に変動しています。
もしかしたら、もっと低い金利で借り換えできる可能性もあります。
一度、借り換えのシミュレーションをしてみて、借り換えによるメリットがあるかどうか を確認してみるのも良いでしょう。
5. 借り換えできることを知らない
住宅ローンを借り換えできることを知らない人もいます。
住宅ローンは、一度組んだら、そのまま返済していくものだと思っている人もいる かもしれません。
しかし、住宅ローンは、いつでも借り換えすることができます。
借り換えによって、より有利な条件で住宅ローンを返済できる可能性があります。
借り換えの注意点
住宅ローンを借り換える際には、以下の点に注意しましょう。
- 複数の金融機関を比較する
- 金利だけでなく、手数料や保障内容なども確認する
- 借り換え後の返済計画をしっかりと立てる
- 金融機関の担当者にしっかりと相談する
これらの注意点を詳しく見ていきましょう。
1. 複数の金融機関を比較する
住宅ローンは、金融機関によって、金利、手数料、保障内容などが異なります。
借り換えを検討する際は、複数の金融機関を比較し、自分に合った住宅ローンを選ぶ ことが重要です。
2. 金利だけでなく、手数料や保障内容なども確認する
住宅ローンを選ぶ際には、金利に目が行きがちですが、手数料や保障内容なども重要です。
手数料が高いと、借り換えによって削減できる利息よりも、手数料の方が高くなって しまう可能性があります。
また、保障内容が手薄になってしまうと、万が一の時に困ることになります。
3. 借り換え後の返済計画をしっかりと立てる
借り換えによって、毎月の返済額が減る場合でも、返済期間が延びてしまうと、総返済 額は増えてしまいます。
借り換え後の返済計画をしっかりと立て、無理のない返済プランを立てることが重要です。
4. 金融機関の担当者にしっかりと相談する
住宅ローンの借り換えは、わからないことや不安なことがたくさんあると思います。
金融機関の担当者に相談することで、疑問や不安を解消することができます。
連帯債務者から外れるには
住宅ローンを夫婦で借りている場合、どちらか一方が連帯債務者になっていることがあります。
連帯債務者とは、債務者と同じように、住宅ローンの返済義務を負う人のことです。
もし、離婚などで連帯債務者から外れたい場合は、どうすれば良いのでしょうか?
連帯債務者から外れるには、住宅ローンを借り換える必要があります。
借り換えによって、連帯債務者を外すことができる場合があります。
ただし、すべての金融機関が連帯債務者の変更を認めているわけではありません。
連帯債務者を外したい場合は、事前に金融機関に相談し、借り換えが可能かどうかを 確認する必要があります。
連帯債務を外す際の注意点
連帯債務を外す際には、以下の点に注意しましょう。
- 金融機関によっては、連帯債務者を外すことを認めていない場合があります。
- 連帯債務者を外すことで、住宅ローンの審査が厳しくなる場合があります。
- 借り換えには、手数料などの費用がかかります。
おまとめローンはNG?
住宅ローンと他のローンをまとめて、1つのローンに借り換えることをおまとめローンと言います。
おまとめローンは、複数のローンを1つにまとめることで、金利を下げたり、返済を楽にしたりすることができます。
しかし、住宅ローンをおまとめローンに含めることは、あまりお勧めできません。
なぜなら、住宅ローンは、他のローンに比べて金利が低いからです。
住宅ローンをおまとめローンに含めてしまうと、金利の高いローンに引きずられて、金利が上がってしまう可能性があります。
また、住宅ローンは、住宅ローン控除などの税制上の優遇措置を受けることができます。
住宅ローンをおまとめローンに含めてしまうと、これらの優遇措置を受けられなくなる可能性があります。
住宅ローンが残ったまま名義変更できる?
住宅ローンが残ったまま名義変更をすることは、原則としてできません。
住宅ローンは、金融機関が、借りる人の返済能力を審査した上で、貸し出しています。
そのため、途中で名義変更をしてしまうと、審査していない人にローンを貸すことになってしまい、金融機関にとっては大きなリスクとなります。
ただし、例外的に、名義変更が認められるケースもあります。
例えば、離婚や相続など、特別な事情がある場合です。
名義変更を希望する場合は、まずは金融機関に相談してみましょう。
まとめ

この記事では、住宅ローンの債務者変更と借り換えについて解説しました。
債務者変更は、原則としてできませんが、離婚や相続など、特別な事情がある場合は、認められる可能性があります。
借り換えは、金利を下げて返済を楽にする有効な手段ですが、メリットだけでなく、デメリットや注意点もあることを理解しておく必要があります。
住宅ローンについてお悩みの方は、この記事を参考にして、ご自身に合った方法を検討してみてください。
記事のまとめ
- 住宅ローンの債務者変更は原則としてできない
- 債務者変更ができるケースは限られている
- 夫婦間、親子間での名義変更は可能だが金融機関の承認が必要
- 兄弟間、他人への名義変更はハードルが高い
- 住宅ローン借り換えでよくある失敗例は諸費用、審査、条件悪化など
- 借り換えをしない理由は面倒、手続きが不明、時間がないなど
- 借り換えの注意点は金融機関の比較、手数料等の確認、返済計画など
- 連帯債務者から外れるには住宅ローンの借り換えが必要
- 住宅ローンをおまとめローンに含めることはお勧めできない
- 住宅ローンが残ったまま名義変更をすることは原則としてできない